岸下建設

田園に建つ古民家

この建物は,福知山市内周辺部の少々小高い位置にあります。
主道路から少し入った場所で,近くには運動公園があり,周辺は田や畑のある環境に建っています。
築100年以上で,土間,田の字型,縁側,廻り縁,中2階のある大きな建物です。
前の持ち主が住まれなくなり数年が経っていましたので,水廻り部分が少々傷んでいたり,屋根(鉄板波板)は赤錆が目立つ状態でした。
建築主は若い夫婦で,この建物は少々大きすぎる感がありましたが,将来を考え購入し,再生に至りました。
梁間隔の大きな建物ですので,夏は涼しいのですが,全体的には暗く寒い建物です。
一部減築し,必要な部分を残す再生となりました。
建物も大きいゆえ,ゆったりとした空間であり,太い柱,梁を残してどっしりとした建物を要望されました。
再生にあたり,この建物の太い柱,梁の力強さ,ゆったりとした空間をとりつつ,プライベートの取れる再生を望まれていました。
人の住んでいる時期がありましたので,傷んでいる箇所の補修から始まりました。
水廻り部分では白蟻の跡があり,駆除を行い,柱根補修を行いました。
玄関ホール一部は,収納部屋とし外窓は既存の面格子を補修して再利用しています。
玄関戸は既存再利用です。
建物の中心となっているLDKは吹き抜けとし,吹き抜けの一部に薪ストーブを置いています。
LDKは胴差し上部を荒壁の上中塗り仕上げとし,下部は珪藻土塗りとし,壁のもつ柔らかさを出し,太い柱,梁の力強さを表しています。
また,天井近くに高窓をとり,明り取りとし,暗かった空間の解消を行っています。
縁側の床板は再利用,建具も再利用しました。
外部の正面は漆喰で塗り替え,その他は焼杉板貼りとしました。
屋根は既存の屋根の上に鉄板小波板のカバー工法として葺いています。

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