鉄板覆いの草葺民家に耐震性を持たせた“温故知新”の家
若いご夫婦から、なくなられた御祖父様の家があり、古材を活かしたリフォームがしたいとご相談をいただいた。
ご夫婦のご両親は新建材の家の方が好みとのことで、造りすぎず古いものと新しいものを融合させた家づくりを目指すことにした。
最近は各地で地震が多く耐震を考慮した家づくりも要望されていた。
まず耐震構造設計を行い、構造補強には耐力面材・金物を使用して基準をクリアした。
もうひとつ補強にはしっかりした基礎が必要であり、家を持ち上げる工事からの対処となった。
各個室は既存の梁が低く天井高さが思うように取れなかったが、そこを活かし勾配天井や船底天井にした。
玄関、ダイニング、リビングは古民家の醍醐味である梁を出し、豊かな広がりを表現。
畳コーナーはゴロンとくつろぐ事の出来る床の生活を提案した。
食品庫はキッチンから脱衣、洗面室への動線を確保するとともに収納という2つの機能をもたせた。
居住性については、アルミ+樹脂のLow-e 複合サッシを用い、気密性と防音性を確保した。
内装は古民家の良さを際立たせる様に無垢材に昔ながらの左官仕上げを多用した。
天井裏に隠れていた丸太梁を生かし磨き上げて、改めて存在感を出させ“温故知新”を再現した。