古材を活かす二世帯の家
京都北部の綾部市にある昔ながらの里山風景が残る地域に建つ古民家の全面改修です。
この建物は,約140年前に近隣の福知山市に建っていた建物を解体し,福知山・綾部を通っている
由良川を利用し運び,この地に移築されました。
この建物を,後世に繋ぎたいという想いを建築主が家族に伝えたところ,孫の家族がこの意思を受け,2世帯で住める家へと改修することとなりました。
要望としては,①普段の生活は動線含め便利にしてほしい。②お互いのプライバシーは守るようにしたい。③浴室は1つでも,生活スタイルが違うため,キッチンは2つほしい。というものでした。
柱,梁ともに傷みは少なく,また,家の傾きもほとんどなく,とても移築後140年には思えない立派な建物でした。
お互いのプライバシーを守るように,田の字型の居室を間仕切ってつくり,廊下のみでつなぐようにしました。
また,各部屋にはできるだけ既存の梁をみせて古民家の良さを引き出しました。